終わり無きデフレスパイラル、世界同時不況、中国等の台頭によるメーカーの凋落、銀行の相次ぐ破綻と貸し剥がしの深刻化、公共工事の激減等、我々を取り巻く経済環境は、ますます厳しいものとなっております。
しかし、そんなことは言っておれません。自分の会社は自分で守っていかなければ、誰も助けてはくれません。
そこで、窮地に陥った会社が、まず、やらねばならない事が、再建計画を立てるという作業です。
株式会社みどり合同経営では、ご依頼のあったお客様の再建計画の策定や、金融機関交渉、計画の定着化等のお手伝いを、幅広く手がけております。
そこで、今回から8回に渡って、この再建計画書について、取り上げていきたいと思います。
第1回は、「再建計画書作成の意義とその流れについて」説明いたします。
◆再建計画書の意義
*まず、「再建計画書作成の意義」は主に、以下の通りです。
1.企業を健全な体制へ導く為の、羅針盤をつくる
いうまでもなく、経営を根底から見直し、健全な体制へと力強く進んでいく為には、無計画の状態では、実現は絶対に不可能です。強い意志を持ってやり遂げる礎(いしずえ)となる、実のある再建計画書の作成は、絶対に必要です。
2.取引銀行を説得し、協力してもらうためのツール
窮地に陥った企業が、再生に向け歩みだす場合、取引銀行の理解と支援は必要不可欠です。ただ、説得力のある再建計画がないと、銀行としても、支援はできません。従って、銀行を味方に付ける、強いツールでもあるのです。
◆企業再建の流れ・・・
*次に、「企業再建の流れ・手順」について、少し詳しく説明していこうと思います。一般的な企業再建の流れは、以下の通りです。
1.緻密な資金繰り表の作成、向こう2~3ヶ月の資金の手当
2.現状把握
時価バランス、清算バランス、損益計算書の分析
3.予算の組立
実質債務超過の解消計画
無担保借入金弁済計画
4.再建計画書の作成
現状から、実現可能なリストラを行った上での損益計画
金融機関を納得させられる、損益・キャッシュフロー計画の作成
5.金融機関交渉
再建計画の説明と、実現に向けた協力要請
リスケジュール、追加支援等の要請
6.実務へのオペレーティング
作成した再建計画書の月次予算への展開
徹底した予算実績管理
数字を現実にする為のアクションプランからPDCAへの展開
7.金融機関への報告
タイムリーな資金繰り表、予算実績管理表(試算表)の提供
継続的な業況説明と、信頼関係の構築
まあ、上の手順通りにいかないことも多々あるわけですが、その場合には、臨機応変に、次の一手を考えていくわけです。
(例えば、どうしても自力再生が困難な場合、救済型M&Aや、会社分割、果ては民事再生法等も組み合わせ、生き残る道をさぐっていくわけです。)
( 続 く ・・ )
それでは次回から7回(2~8回)に分けて、個々の過程を、少し詳しく解説していきたいと思います。